Brut(オンラインメディア)は7日、サブスクサービス「Brut X」を開始した。月額4.99ユーロで、映画やドキュメンタリーなどのコンテンツを配信する。ニュース解説などの動画コンテンツを無料配信してきた同社にとって初の有料化の試みとなる。
Brutは4年前に発足したオンラインメディア。若い世代のオーディエンスが特に大きく、最近ではライブ配信にマクロン大統領が出演するなど、若い世代へのリーチを望む政治家らが注目するメディアに成長した。新サービスの「Brut X」は、Brutとの直接契約のほかに、通信事業者のオレンジ及びフリーを通じての加入も受け付ける。コンテンツは500時間分でスタートし、新たなコンテンツを随時追加する。ネットフリックスのような大手と比べて規模は小さいが、社会問題に強いメディアという立ち位置を生かして、1990年代に活躍したスペインのトランスセクシャル、クリスティナ・オルティス・ロドリゲスの出世作「Veneno」など、特色あるラインナップを揃えて対抗する方針。
Brutは2019年に1000万ユーロ程度の売上高を達成。うち9割はフランス国内で稼いだ。2020年には100%の増収を達成、今年はさらに150%の増収(売上高は5000万ユーロ程度に)を見込む。2019年に調達した4000万ドルの資金が、サブスクサービスの展開に充当されるが、今後に上場を含めた新たな資金調達を行う可能性も示唆している。