フィリップ前首相が著作刊行、去就に注目

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フィリップ前首相が7日に著書「impressions et lignes claires(印象と明確なライン)」を刊行する。これを機にマスコミへの露出を強めており、去就に注目が集まっている。
フィリップ氏は、マクロン大統領の就任と共に首相に起用され、昨年7月まで3年余りに渡り首相職を務めた。今回の著書は、首相当時に特別顧問を務めたジル・ボワイエ氏(現欧州議員)との共著で、首相時代を回顧しつつ、政治家としての省察を展開する内容となっている。
フィリップ氏は現在、古巣のルアーブル市に戻り、市長職を務めている。政治家の好感度調査ではトップにつけており、保守野党の共和党の有権者においても、3月以来、サルコジ元大統領を抜いて好感度トップとなっている。フィリップ氏はもとは保守系の政治家で、ジュペ元首相派に属し、ジュペ氏が2017年の大統領選において共和党の公認を得られなかったのを機にマクロン支持に転じ、マクロン政権のキーパーソンに抜擢されたという経緯がある。人気だけでみればマクロン大統領を上回る存在となっており、人脈の構築にも力を尽くしているといわれる。2022年の大統領選挙に出馬する野心を取り沙汰する向きもあるが、フィリップ氏はこの数日間に応じたインタビューの機会に、自身を忠実な人間と形容し、マクロン大統領の失敗を望む者たちには与さない、と言明。その上で、今は自由な立場で政治に携わっているとも強調し、この自由を用いて、国のために必要な議論を喚起してゆきたい、と語った。大統領選挙への展望については、政策の方針を決めるのが先で、人選はその後だろうと言明しつつ、あえて出馬の可能性に道を閉ざすことはしなかった。