ポワティエ市のモンコンデュイ市長(環境派EELV所属)が航空クラブ向けの補助金削減を決めた件が物議を醸している。与野党が揃って環境派市政による新たな逸脱行為だと糾弾している。
モンコンデュイ市長は、市内の複数の航空クラブに対する助成金を削減することを決めたが、これについて、同市野党のLREM(マクロン大統領が率いる国政与党)は、子供の身障者に飛行体験を提供する市民団体の「子供の夢」プログラムに協力する航空クラブへの助成金を削減するのか、と批判。市長は、「団体の存続を損なわない限りにおいて、公的資金が有限の資源の消費に立脚するスポーツの支援のために用いられるべきではないと考える」と回答して、削減の方針を正当化した。
市長の方針には、政界から批判の声が相次いでいる。自らもパイロット出身のジェバリ運輸担当相(LREM)は、独善的で陰鬱な決定だと批判。左翼から極右に至るすべての政治勢力がそれぞれ、環境派の教条的な態度を明るみに出すものだと激しい批判を展開した。モンコンデュイ市長は、「今世紀の子供の夢は前世紀とは違ってしかるべきだ」と述べて決定を改めて正当化。EELVのバイユー代表は、「子供の夢」プログラムはそもそも助成金の請求はしておらず、プログラムに対する助成金を削減したり、拒否したという話ではないと説明して応戦した。
このところ、環境派が市政を握った自治体における決定が批判を受ける事件が相次いでいる。その背景には、支持率の上昇が目立つ環境派を危険なライバルと見据えて、各方面が揃って環境派を標的に据えているという事情もある。