フランス版 #MeToo訴訟、男性側が敗訴

フランス版 #MeTooを開始したサンドラ・ミュレール氏を相手取った名誉棄損の訴訟で、パリ高裁は3月31日、損害賠償を命じた一審の判決を棄却する決定を下した。
この事件でミュレール氏は、2017年10月に、 #MeTooに触発されて #Balancetonporcというハッシュタグを考案し、自身の体験として、エキディア(競馬専門テレビ局)の社長を務めたエリック・ブリオン氏から送られたみだらな内容のSNSをツイート上で公開した。ブリオン氏はこれについて、酒の席で送ったSNSであり、それ以上のことはしておらず、繰り返し行うハラスメントには該当しないと主張。一方的かつ過剰に名誉を棄損されたとして、損害賠償を求める請求を起こした。第1審は訴えを認めて、1万5000ユーロの損害賠償金と5000ユーロの訴訟費用の支払いを、ミュレール氏に対して命じていた。
パリ高裁は控訴審判決において、ミュレール氏の行為が名誉棄損に該当するのは明らかだと認めたが、その上で、問題のツイートが、ブリオン氏の言動を犯罪行為であるとして提示していないことを挙げつつ、女性の言葉を解放しようとする公共性のある議論の中でなされたことであり、ミュレール氏の行動には誠実さを認めることができるとの理由を挙げて、ブリオン氏の訴えを退けた。この件で裁判所がミュレール氏の非を認めることは、表現の自由とその行使に毀損を生じさせるものとなりうるとも指摘した。