性交渉の拒否を理由とする離婚、フランスでは初めて成立:女権団体は反発

性交渉の拒否を理由に裁判所が離婚を認めた案件が報道され、話題になっている。この裁判で離婚が確定した女性は、女権団体の援助を得て、フランスを相手取り欧州人権裁判所に提訴する準備を進めている。
問題の判決は2019年にベルサイユ高裁が下した。この案件では、66才の女性が夫より離婚を求められ、訴訟となった。ベルサイユ高裁は、性交渉の度重なる拒否により、結婚の義務に対する重大な違反が生じ、共同生活が破綻したと認定し、離婚の成立を認めた。女性側は上告したが、最高裁は2020年に、上告を門前払いの形で退けたため、ベルサイユ高裁の判決が確定した。
オートアルザス大学のマティウシ准教授(私法専攻)によると、性交渉の拒否を理由とする離婚訴訟でこれまでに86件が提起され、11件で裁判所が離婚を認めたが、性交渉の拒否のみを理由として、裁判所が離婚を認めたケースは今回が初めてだという。また、結婚から5年を経て性交渉がない夫に対して、慰謝料の支払いを命じた判決もある。ちなみに、今回の案件では、最高裁は門前払いの形で下級審の判決を有効と認めたことから、判例が最高裁のレベルで確定したわけではない。
夫婦の間の強姦の成立は、1992年の最高裁判決により判例として確定している。DVに対する世間の目が厳しくなる中でもあり、性交渉の拒否をもって離婚の原因とするのは前時代的だという声も上がっている。