26日発表のINSEE統計によると、2020年の財政赤字の対GDP比は9.2%となった。2020年末時点の予測は11.3%で、それよりは小幅な赤字となったが、金融危機時の2009年を上回り、1949年以来で最大の赤字を記録した。公的債務残高の対GDP比は115.7%となり、こちらも当初見込みの119.8%を下回ったものの、前年の97.6%から大きく跳ね上がった。金額では2兆6501億ユーロに達した。
新型コロナウイルス危機に伴う国の負担(支援の支出と税収欠損の合計額)は1580億ユーロに上った。この額も、昨秋時点の予測(1860億ユーロ)に比べると小さかった。歳入は金額にして631億ユーロの減少を記録。率にすると実質で5.4%減に相当する。後退幅は、GDPのマイナス成長幅(8.3%)と比べると小さく、対GDP比での国民負担率は44.7%に上昇した。歳出は4.9%増を記録し、歳出の対GDP比は62.1%と戦後最高を記録した。歳出のうち、国債費だけは、マイナス金利を背景に14.4%の減少を記録した。
経済省発表の数値によると、法人向け援助は2020年に合計で470億ユーロに上った。その内訳は、一時帰休が270億ユーロ、連帯基金からの支出が160億ユーロ、社会保険料の減免措置が40億ユーロ。政府は2021年の同援助額を320億ユーロ程度と予想している。