仏政府はこのほど、パリ北郊外にあるシャンティイ城館(オワーズ県)に450万ユーロの特別補助金を支出することを決めた。新型コロナウイルス危機で打撃を受けた同城館を救済する。
シャンティイ城館はフランス学士院の所有物となっている。民間部門の施設は一連の援助の対象となり、国有の施設には政府の予算から支援を与えることができるが、間接的な国有資産であるシャンティイ城館の場合、民間部門向けの支援も、政府予算からの通常の支援も受けることができず、宙に浮いた格好になっていた。同城館は、2020年の入場者数が21万1500人と、前年比で50%減を記録。これに伴う収入の減少で、2020年には700万ユーロの営業損失を出した。政府は、特別措置として、減収分に対応する損害額を補填する名目で450万ユーロの補助金を支給することを決定。これは、5月1日まで営業禁止措置が継続されるという前提に基づいた金額だが、営業禁止がそれ以上長引いた場合には、金額を見直すことでも合意している。国は援助の見返りとして、城館の132人の職員の雇用保障を求めた。
シャンティイ城館は、注目すべき豊かな美術品のコレクションを所蔵。また、厩舎を併設し、馬事のスペクタクルでも評判が高い。危機収束後の収入増を目指して、庭園敷地内の建物をホテルに改装するなどの投資事業も進める計画。