経済省、外資による出資への監視強める

経済省の集計によると、経済省は2020年に、外資によるフランス企業への出資案件について、275件の事前審査を行った。1215件の投資案件のうち2割程度で事前審査がなされたことになる。2020年には規制の枠組みが強化されたため、単純な比較はできないが、2019年(216件の事前審査)に比べて件数は大きく増えた。新型コロナウイルス危機の影響で外資による直接投資案件が17%減少する(ビジネス・フランス集計)中で、監視は一段と強化されたことになる。
フランスの法令によれば、経済省は、重要部門のフランス企業への外資による一定以上の投資案件について、事前審査の実施を決めることができ、審査の末に禁止を決める権限を有する。実際に禁止が決まった件数に関する発表はないが、最近では去る12月に、米テレダインによるフォトニス(赤外線暗視スコープなど製造)買収の案件が禁止されたのが記憶に新しい。
2020年には、新型コロナウイルス危機を踏まえて、危機を利用して安値で重要企業を外資が買い叩くのを防止する目的で、政府は規制を強化。規制の対象となる重要企業のリストを広げる(バイオテクなど追加)と共に、上場企業への投資についても、審査対象となる出資率上限が、従来の25%から10%へ引き下げられた。これらは2021年末までの時限措置として導入されたが、政府は必要であれば延長する可能性があると説明している。経済省が直接に審査権を行使した案件ではないが、クシュタール(カナダ)によるカルフール(食品小売)買収計画は、ルメール経済相が反対の念を表明したのを受けて、計画が断念されるに至っており、監視強化は抑止効果を発揮している。