パリ首都圏の医療機関、厳しい状況に

パリ首都圏(イルドフランス地域圏)で、新型コロナウイルス感染症に伴い、医療機関の対応力が限界に達しつつある。患者の他の地域圏への移送が13日に開始された。13日には3人がヘリコプターにより、まだ余裕がある都市の病院へ移送された。14日にも3人が移送され、17日頃には高速鉄道(TGV)の列車を特別に改装して24人を一括移送する予定。政府はこれまで、パリ首都圏で週末ロックダウンなど追加の制限措置を導入するのを見送ってきたが、カステックス首相は13日にパリ首都圏セーヌ・サンドニ県内の私立病院を訪問した機会に、状況は極めて厳しいと言明。追加制限措置の導入の可能性が囁かれるに至っている。
そうした中で、アストラゼネカ社は13日、欧州連合(EU)向けのワクチンの出荷に新たな遅れが生じる見通しだと発表。フランスでも接種キャンペーンの加速に支障が出ることが懸念されている。アストラゼネカは、欧州への出荷を、1-3月期に3000万回分と発表。これは従来の4000万回分よりも少ない。4-6月期には7000万回分が引き渡される見通しとなっている。フランスの場合、1-3月分の引き渡しが600万回分の予定で、うち440万回分が3月中の引き渡しとなっていたが、13日に発表された遅れを経て、1-3月分の引き渡しが450万回分に削減されることになった。4月以降にも影響が長引けば、接種加速に関する政府の目算に大きな狂いが生じる可能性が強まる。
その一方で、高齢者施設における接種が進んだことに伴い、13日付で、高齢者施設における衛生条件が一部緩和された。家族の面会における制限が緩和され、人間味のある環境に戻ることが期待されている。