国内のセクト、活動が活発化

Miviludes(セクト監視省間本部)がこのほど、国内のセクトの現状についてまとめた報告書を提出した。健康問題などを切り口にしたセクト的な活動が、インターネットを主な舞台として活発化しているという。
報告書によると、セクトの影響下にある人の数は14万人程度に上り、500程度の小グループが活動を展開している。実際の規模はこの推計をさらに上回るとみる向きもある。2020年にMiviludesは3008件の通報を受け、うち686件は重大と判断され、より踏み込んだ調査の対象となった。この数は、5年前から30%増を記録している。通報のうち25%程度は、関係各部署がこれまでに把握していなかった人物や団体に関するものであり、新手の参入が増えているらしいことがうかがわれる。
健康に関するセクトも増えている。2019年の時点で、通報の4割は健康に関する主張を掲げたグループ等に関するもので、この傾向は、新型コロナウイルス危機を背景にさらに強まったものと考えられる。SNSに特有の「類は友を呼ぶ」型のバイアスも手伝って、インターネットが主な伝播の経路となっている。セクトの影響は特に農山漁村地域で大きいという。
近年の「注目株」としては、断食と生食健康法を掲げるティエリー・カサノバ氏(Tierry Casasnovas)がおり、2020年7月より刑事事件で捜査の対象になっているものの、相変わらずユーチューブ上で動画を公表し続けている。Miviludesは同氏についてこれまで600件を超える通報を受けており、うち70件が2020年になされた。カナダに居住のベルギー人ジャンジャック・クレーブクール氏(Jean-Jacques Crevecoeur)は、「医学の専横」を批判し、「量子波動」で病気を治すと主張。こうした人々は互いに共闘関係にあることも多く、「新型コロナウイルスは虚構であり、ワクチン接種を口実に電子チップを埋め込むための陰謀だ」などとする「グレートリセット」陰謀論などとも連動している。このほか、終末論に根差したサバイバル訓練や自己啓発系の「業者」活躍も目立つ。