パリ市内に映画をテーマにしたユニークなホテル「ホテル・パラディソ」がオープンした。映画館経営のMK2が、市内の映画館に併設する形で整備した。ホテル名はトルナトーレ監督の名作「シネマ・パラディソ(Cinema Paradiso)」に因んでいる模様。
ホテルはパリ12区(135, boulevard Diderot)のナシオン広場の近くに位置する。全36室で、室内で上映中の映画を含めて豊富なカタログの映画を見ることができる。窓のブラインドを下すとそれがそのままスクリーンになる。料金は1泊100ユーロから350ユーロまでで、スイート2室はDCI 2K規格の映写室を備える。屋上は野外スクリーンなどを備えてパーティー用に貸し出される。また、映画館で最大の映写室(100席)の上方に設置された「ラ・ロージュ」では、スクリーンに映写中の映画を見ることが可能で、飲食をしながらの視聴や、業者が観客の反応を窺うといった使い方もできる。
新型コロナウイルス危機を見込んだ新商法とも見えるが、コンセプトは何年も前から準備されたもので、足元の危機とは関係がないという。実際、屋上スペースや「ラ・ロージュ」は衛生危機が一段落してからの運用となる。