グリーンシル倒産、リバティ・スチールに波及も

英国のグリーンシル・グループ(金融)が8日に倒産した。融資先にはGFGアライアンス(リバティ・スチール)があり、同社の傘下の仏工場では懸念が広がっている。ルメール仏経済相は9日、倒産劇の間接的な影響を受ける拠点の従業員らを国として支援する姿勢を確認した。
グリーンシルはオーストラリア出身のレックス・グリーンシル氏が2011年に起業。同氏は2001年、24才の時にロンドンに上りモルガン・スタンレーに入社。後にキャメロン保守政権に人脈を築き、それを元手に、2011年に自身の名前を冠した会社を立ち上げ、ファクタリング業務のフィンテックを標榜した。同社は大きな成功を収めたが、投資者の資金を、投資者の関連会社に融資するといった循環的な手法には錬金術的な危うさもあった。オーストラリアの保険会社が同社への保証を打ち切ることを決めて以来、その危うさが表面化し、投資家の出資引き揚げの決定が相次ぎ、経営が急速に悪化した。3日には、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)が、ドイツ子会社のグリーンシル・バンクに業務の停止を命令。続いて8日にはグループの倒産に至った。
グリーンシル・バンクの場合、融資ポートフォリオの3分の2が、相互に関係のある一連の企業を融資先にしていたといい、これは、GFGアライアンスを率いる実業家サンジーブ・グプタ氏の関連企業と考えられている。グプタ氏のリバティ・スチールは近年、企業買収を通じて欧州の鉄鋼関連資産を買い取り急成長を遂げていたが、グリーンシルが資金供給に協力していたなら、資金繰りに行き詰まるのは不可避になる。リバティ・スチールの傘下には、フランスではノール県の旧アスコバル工場やモーゼル県のアヤンジュ工場(鉄道レール製造)があり、その将来についての懸念が高まっている。