サルコジ元大統領、汚職事件で有罪判決

パリ地裁は1日、いわゆる「ビスミュト事件」でサルコジ元大統領に禁固3年(うち2年が執行猶予付き)の有罪判決を言い渡した。汚職行為が成立していたと認めた。他の2人の被告人も同じ有罪判決を受けた。被告人はいずれも判決を不服として控訴すると予告した。
この事件は、2014年1月から2月にかけて、サルコジ元大統領らが捜査当局による電話盗聴の対象となったことに端を発して浮上した。当時、サルコジ元大統領は、ベタンクール事件(資産家のベタンクール氏から不正資金がサルコジ元大統領の陣営に渡った疑いが取り沙汰された。この事件ではサルコジ元大統領は起訴されず、政界関連の有罪判決はなかった)で追及を受けており、その一環で押収された大統領在任中の手帳について、元大統領は押収を無効とするよう求める請求を行っていた。電話盗聴は、当初はサルコジ元大統領とエルツォーク氏のみを対象としていたが、「ポール・ビスミュト」名義で開設された回線が存在することが分かり、それも対象に加えられた。その隠し回線を通じて、サルコジ元大統領とエルツォーク氏は、手帳押収の無効化請求の審査に関する情報を、当時に最高検察庁の検事を務めていたアジベール氏から入手するために、アジベール氏の昇進を助ける算段を整える相談をしていたとされる。
裁判で検察側は、実際に便宜が図られた事実がないとしても、請託は成立していたと主張。裁判所もこの主張を認めた上で、司法の独立性を保障する立場である大統領職にあった人物として、責任は特に重いと認定し、有罪判決を言い渡した。大統領が有罪判決を受けるのは、2011年のシラク大統領(パリ市長時代の架空雇用問題で)に次いで2人目であり、実刑部分が伴う有罪判決を大統領が受けたのは今回が初めてとなった。
サルコジ元大統領には、保守勢力の救世主として政界復帰を望む声もあったが、有罪判決により難しくなった。なお、元大統領は続いて、17日にはビグマリオン事件(2012年の大統領選挙キャンペーンにおける選挙資金上限超過を隠すために請求書の書き換えなどを手配していたとされる事件)の裁判に被告人として臨むことになっている。保守政界の有力者らの多くは、サルコジ元大統領への支援の念を表明。現職閣僚では、保守出身のダルマナン内相が、元大統領に友情のメッセージを送ると述べて、元大統領を支援した。