パリ16区にあるカトリック系の私立学校サンジャンドパシーのダニエル・シャペリエ校長が11日に、未成年者への性的暴行の容疑で予審開始通告を受けたことが明らかになった。予審は担当予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き。校長は事実関係を否定しているが、弁護に専念するためとして辞任した。
サンジャンドパシーは幼稚園から高校(準備級含む)までの一貫教育校で、成績優秀者を育てる名門校として知られている。今回の事件は、同校の14才の男子中学生の訴えがきっかけになり浮上。訴えによれば、校長はこの生徒を風紀上の理由で呼び出し、性に関する質問をした上、不適切な行為に及び、フェラチオを強要したという。
シャペリエ校長は71才。2015年まで13年間に渡り、パリ市内のやはりカトリック系の名門中学校スタニスラスの校長を務めた後、引退していたが、サンジャンドパシーで前校長がモラハラ容疑で追及を受けて解任された(最終的に不起訴となり、学校側と前校長は和解により係争を打ち切った)事件を受けて、同校の臨時校長を務めていた。シャペリエ校長は、性的逸脱に厳しい姿勢で知られ、生徒を風紀上の理由で呼び出して、性的習慣に関する厳しい質問をしていたことは、スタニスラス中学校時代の生徒らの証言からも明らかになっている。