ナティクシスは上場廃止へ:親会社のBPCEが吸収

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投資銀行ナティクシス(BPCE銀行傘下)の株式の売買が8日より停止された。同行が前日に請求した。BPCEは同日、ナティクシスの上場廃止を目的にTOBを行うと予告した。
ナティクシスは2006年12月に19.55ユーロの株価にて上場された。市場では29.3%株式が取引されているが、株価は7日終値で3.70ユーロと低迷している。ただし、同行株価は2020年に29.5%の下落を記録した後、今年に入ってからは32.6%の上昇を記録しており、7日にも、上場廃止などの動きを見込んでか、同行株価は終値で6.9%の上昇を記録していた。
BPCEは、1株4ユーロでの買収を提案。これは、直近60日間の株価平均と比べて40%高い。BPCEは37億ユーロを支払うことになるが、BPCEの財務基盤に影響を及ぼす規模の取引ではないと考えられる。BPCEはナティクシスを完全子会社化した後に、事業を分割した上で本体に吸収する方針とみられている。
ナティクシスは、フランスの上場銀行としては、BNPパリバ、クレディアグリコルSA、ソシエテジェネラルに次ぐ第4位。親会社のBPCEは、国内リテール業ではクレディアグリコルに次ぐ第2位。ナティクシスは、新型コロナウイルス危機の直撃を受ける形で、3四半期連続で赤字を記録しており、投資ファンド子会社の英H2Oの経営難にも祟られている。去る8月にはトップ交代があり、ナミアスCEOが就任。戦略見直しの準備が進められていた。