バローレック、債権者団と合意:債権者の2ファンドが筆頭株主に

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仏バローレック(シームレス鋼管)は3日、2020年業績を発表した機会に、債権者団との間で再建に向けた基本合意が成立したと発表した。英米系の投資ファンドであるアポロとSVPが筆頭株主となる。
バローレックは、主要顧客である炭化水素業界による投資縮減のあおりを受けて、業績が一段と後退していた。同社は債務水準が35億ユーロと高く、事業継続を図るために債権者団と交渉を続けていたが、それが今回、基本合意に達した。具体的には、13億ユーロ相当の債務を株式に書き換えると共に、3億ユーロの増資が実施される。銀行団は1億7000万ユーロの債権を放棄する。残りの債務は、返済日程を調整の上で維持される。
この合意により、昨年にバローレックの債権を買い取って債権者団を構成した投資ファンド2社が共同で主要株主となる。アポロが23.2-29.3%を、SVPグローバルが9.7-12.3%を確保し、共同で取締役(全部で10人)のうち3人を送り込む。各々15%近くの株式を保有する従来の主要株主だった日本製鉄とBPIフランス(公的投資銀行)は、増資の際にそれぞれ3500万ユーロと2000万ユーロを投資するが、出資率はそれぞれ3%と2%にまで後退する。
バローレックは、国内の1工場の閉鎖と1000人の削減を含む再編計画を去る11月に発表。同社のギノットCEOは、今こそ投資に転じるべき時であり、新主要株主のファンドもバローレックの経営戦略を支援しているとコメントした。パニエリュナシェ産業担当相は、英米系のファンドが主要株主になったことについて、「国内拠点と雇用の維持に関して特段の注意を払って見守る」とコメントした。
バローレックは2020年に、売上高が22%減の32億ユーロへ後退。EBITDAは26%減の2億5800万ユーロを記録した。