ポールアンプロワ(ハローワーク)の職員と企業の人事担当が相次いで射殺される事件が1月28日に発生した。犯人の男が同日に逮捕された。26日に別の地方で発生した殺人事件もこの人物の犯行とみられている。
逮捕されたのは、元エンジニアで現在は無職のガブリエル・フォルタン容疑者(45)。同容疑者は28日朝、レンタカーでバランス市(ドローム県)のポールアンプロワに赴き、担当職員の50代の女性を射殺して逃走した。容疑者はそのまま、バランス市に隣接するアルデッシュ県ギルラングランジュ市内にあるフォーン社に赴き、人事担当の女性管理職を射殺した。容疑者はその後、逃走中に警察の検問で逮捕された。
容疑者は現在、北東地方のナンシー市に居住しているが、フォーン社には2008年から2010年まで勤務した後、解雇されていた。その後、事件を起こしたポールアンプロワで失業登録されていたが、2013年に登録を抹消された。フォーン社の人事担当は容疑者が解雇された当時の担当者だったが、ポールアンプロワで殺害された職員とは直接の接点はなかったと考えられる。
この事件より前、28日夜に、アルザス地方で別な企業の人事担当が射殺され、その人物の上司だった男性が銃撃を受けて負傷する事件が発生していたが、捜査当局は、DNA鑑定を経て、フォルタン容疑者が事件に関与したものと判断し、近くこの件についても容疑者に指定する予定。フォルタン容疑者は2008年以前に、こちらの事件の被害者らにより解雇の対象となっていた。
容疑者はスポーツ射撃の競技者で、犯行に使った銃は正規の手続きを経て入手していた。一連の事件の背景には怨恨があるものと考えられるが、容疑者は供述を拒否しており、解雇から10年以上が経過した後で犯行に至った経緯などは明らかになっていない。