仏医薬品当局ANSMは1月25日、医療大麻の製造・販売業者のリストを発表した。昨年10月9日に公示のデクレ(政令)第2020-1230号により、国内の医療大麻の試験的利用が許可されており、その実施の前提となるリストが公表された。特定の形態の癲癇、神経因性疼痛、がんの化学療法の副作用が強い人など3000人を対象に、医師の処方箋に基づいて、2年間にわたり医薬品が無償で供給される。2ヵ月以内に投与が開始される。
昨年に実施された入札では、製造・販売業者をペアにし、各製品毎に主要製造・販売業者及び副製造・販売業者を募った。主要製造業者に選ばれたのは、カナダのAurora(大麻の乾燥花)及びTilray(大麻オイル)、イスラエルのPanaxia(錠剤)、オーストラリアのLittle Green Pharma(大麻オイル)。また唯一の欧州企業である英EMMAC LIFE SCIENCESは錠剤部門の副製造業者に選ばれ、仏ボワロンが流通業者としてペアを組んだ。
欧州では、ドイツ、ポルトガル、英国などが規制緩和を経て医療大麻の使用を開始している。最近に利用が始まったドイツでは、2020年に市場規模が1億5000万ドルを超えた。国会報告書によると、フランスでは向こう4-5年間に市場規模が5億ドルに達する可能性がある。