仏製薬大手サノフィのハドソンCEOは27日付の日刊紙ルフィガロとのインタビューの中で、ファイザー・ビオンテック社が開発した新型コロナウイルスワクチンの製造を受託すると発表した。ビオンテック社の本社に近い独フランクフルト工場において、ワクチンの充填以降の段階を担当する。7月に受託を開始し、年内に1億回分のワクチンを欧州連合(EU)向けに出荷する。一部はフランス向けとなるが、その量は明らかにされていない。サノフィは自前のワクチン開発も継続する。
サノフィは現在、2種のワクチンの開発を進めているが、より進んだプロジェクト(英GSKと提携)では、治験結果が不十分のため見直しの上で治験をやり直すと去る12月11日に発表。それ以来で、フランス政府は、サノフィに対して、他社の下請けとしてワクチン増産に協力するよう圧力をかけていた。それが今回、発表に至った。
フランス絡みのワクチン開発は失敗や遅れが目立っている。サノフィは並行して、研究開発部門で400人を削減する計画を発表しており、サノフィに対する風当たりは各方面から高まっていた。