国会は21日、「感覚的資産」の保護に関する法案を最終的に可決した。田園地方を特徴づける動物の鳴き声などの音や、農耕に由来する匂いなどを保護対象に指定する内容。環境法典が修正され、保護対象のリストが追加される。
この法案は、田園地方における近隣訴訟が多発していることを踏まえて、その対策として準備された。別荘を田園地方に購入した都会人が、近隣の騒音(ニワトリの鳴き声、鐘の音等)などを問題視して訴訟を起こすケースが多く、特にニワトリの「モーリス」の事案はマスコミでも大きく取り上げられた。モーリスの件は原告側の敗訴に終わったが、こうした訴訟を抑止する目的で、この新法が制定された。
新法は、議員立法法案の形で、政府に協力する「アジール」議員団が提出。政府の支持を得て可決された。法令上の規定を定めることにより、市町村による係争調停の手続きが進めやすくなり、訴訟が減るといった効果も期待されている。