政府、量子コンピューティング開発戦略を公表へ:5年間で18億ユーロの規模

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マクロン大統領は21日、パリ・サクレー大学を訪問する機会に、量子コンピューティングの開発戦略を公表する。大型の公共投資を行い、研究開発を後押しする。
具体的には、5年間で18億ユーロを投入する。国はそのうち10億5000万ユーロを負担。その半分は、第4次「未来のための投資プログラム(PIA)」を通じて拠出し、残りは公的研究機関(CNRS、CEA、INRIA)の予算を振り向ける。このほか、民間部門(工業部門の大企業、投資ファンドなど機関投資家)が7億5000万ユーロを拠出。欧州連合(EU)からは2億ユーロの支援を受ける。
基礎研究から量子コンピュータの製作に向けた資金援助までが支援の対象となる。シミュレーターの開発と大規模量子回路の実現には8億ユーロが振り向けられる。このほか、量子センサ、量子暗号技術、通信技術などが主な支援対象となる。量子コンピューティング分野を担う人材の育成も課題で、博士論文への奨励金やポストドク・研究員のポストを増やして、有能な人材の誘致にも力を入れる。大統領府によれば、新たな戦略を通じて、フランスはこの分野で英独を上回る規模の投資を確保できる。