15日発表のINSEE統計によると、企業設立件数は2020年に84万8164件を記録し、前年比で4%増加した。新型コロナウイルス危機の中で顕著な増加を記録した。
うち、個人起業が5.6%増の63万件を記録し、牽引力となった。会社組織の設立は0.2%の微減を記録したが、経済成長率がマイナス10%に達する状況だったことを考えると健闘が目立った。
第2次ロックダウンが適用中だった11月には、企業設立件数は前月比で0.5%の微増を記録したが(8万4233件)、逆に、12月に入ると4.2%の減少に転じた(8万691件)。12月には、建設(10.2%減)と輸送・貯蔵(10.7%減)で後退が目立った。ただし、10-12月期でみると(前年同期比)、「輸送・貯蔵」は1万3100件増(6.1%増)を記録しており、最も増加が著しい部門となった。新型コロナウイルス危機の影響で、宅配など輸送の需要が伸びていることを反映した動きと考えられる。
また、新型コロナウイルス危機の雇用への影響が、人々を起業に向かわせる圧力の一つになったとも考えられる。大手企業が人員整理の動きを進めるにつれて、50才以上の層の就労者が、これまでの夢を実現する好機とみて、リストラ計画を利用して元手を得て起業に踏み切るケースも見受けられるといい、この傾向は2021年にも続くものとみられる。