バラデュール元首相らの裁判、共和国法廷(CJR)で開始へ

共和国法廷(CJR)は19日より、バラデュール元首相(91)とレオタール元国防相(78)を被告人とする裁判を行う。不正献金の授受が裁かれる。
共和国法廷は、閣僚が職務遂行に絡んで犯した犯罪を裁く特別法廷。共和国法廷の裁判は、3人の職業的裁判官と、12人の国会議員により構成される陪審員により裁かれる。
この事件は「カラチ事件」の名前で広く知られている。ミッテラン政権下でバラデュール氏が首相を務めていた1994年当時、パキスタンとサウジアラビアへの潜水艦輸出契約が結ばれたが、これに絡んで仲介者に手数料が支払われ、その一部がバラデュール首相の陣営に渡り、1995年の大統領選挙における選挙資金として用いられた疑いが裁判の機会に争われる。被告人のバラデュール元首相とレオタール元国防相は、自らの権限を悪用して、手数料の流れを手配し、資金を不正に取得した疑いで起訴された。
なお、同じ事件で、閣僚以外の被告人を裁く通常裁判権の下での裁判は既に行われており、去る6月に、バラデュール首相の当時の側近だったニコラ・バジル被告人と、レオタール国防相の側近だったルノー・ドヌデュードバーブル被告人は、共に禁固5年(実刑部分が3年)の有罪判決を受けている。両被告人は判決を不服として控訴している。
調べによると、潜水艦輸出計画に絡んで、レバノン系実業家のエルアシルとタキエディンの両氏が途中から介在し、「ネットワークK」と陰で呼ばれた手数料授受のルートが構築された。このルートに6億ユーロ近くの資金が流れ込んだといわれる。当時はこうした手数料の授受は規制の対象とはなっていなかったが、手数料がこれを手配した政治家の元に戻ってくるなら、政治献金規制や不正利益の取得の罪に問われる。バラデュール候補は1995年の大統領選挙で第1回投票にて落選し、公的資金による補填のめどが立たなくなって選挙資金会計に大穴が空いたが、ちょうどその最中に1005万フランの現金が会計に計上されて事なきを得た。同じ頃にタキエディン氏はスイス銀行口座から同額を引き出しており、穴埋めにこの資金がもたらされた疑いが濃厚となっている。バラデュール元首相本人は知らされていなかったと主張しており、裁判では実際の関与の有無が焦点となる。