サルコジ元大統領を巡る新たな疑惑に関する捜査が開始されていたことが、報道により明らかになった。この件は、ニュース専門サイトのメディアパルトが報じた。これによると、全国管区金融犯罪検事局(PNF)が2020年7月に、サルコジ元大統領の弁護士としての事業について、「不正な影響力行使」の疑いでの予備捜査を開始していた。サルコジ元大統領は、2019年7月に、ロシアの保険大手RESO Garantia社とコンサルティング契約を結び、300万ユーロの報酬を約束された。その後、元大統領が所属する弁護士事務所Realyze(旧クロード&サルコジ)の以前からの顧客である仏保険大手アクサが、RESO Garantiaの上位ホールディング会社であるRGIホールディング(ルクセンブルク籍)への出資を決めており、問題のコンサルティング契約が、この取引をまとめるために結ばれた不正な性質の契約であった可能性を当局は追及しているのだという。
300万ユーロの報酬のうち、50万ユーロは既にサルコジ元大統領がロートシルド銀行に開いている口座に振り込まれているが、この振り込みに係り、関係した銀行のうち1行が、資金洗浄対策の一環で当局に通報したことがきっかけとなって捜査が開始されたという。報道によれば、ロートシルド銀行は数日前にこの件で捜索の対象となった。サルコジ元大統領はこの件についてコメントに応じていないが、元大統領の周辺は、コンサルティング業務は法令と倫理規定を遵守しつつ行われていると強調し、疑惑を否定している。