イラン:新型コロナウイルスのワクチン製造でキューバと協定を締結

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キューバ国営のフィンレイワクチン研究所(IFV)とイラン・パスツール研究所は、キューバで開発が進められている新型コロナウイルス・ワクチンの中でも有望視されている「Soberana02」の臨床試験実施で協力する。ハバナで1月9日に協定の調印が行われた。イラン食品・医薬品局報道官は同日、イランとキューバが新型コロナウイルスのワクチン製造に向け戦略的に提携し、両国はより迅速に行動するだろう、とツイッターに投稿。パスツール研究所とIFVの協定により、両国におけるコロナに対する免疫獲得が加速されるだろう、と指摘した。キューバで行われた新ワクチンの第1相試験は成功裏に終了、第2相試験はイラン・パスツール研究所の監督の下キューバで行われ、その後の第3相試験はイランで行われる予定。
同報道官は数日前に、イランは最初のワクチンはおそらく外国から直接購入するだろうと明らかにした上で、「その後は(全世界に公平にワクチンを供給することを目指す)COVAXファシリティによりワクチンを入手。その次の段階ではキューバの企業とバスツール研究所が共同でワクチンを製造し、最終的には国産のワクチンを製造する」と述べていた。
一方、イランも独自のワクチン開発に取り組んでおり、昨年末に最初のワクチンが発表され、3人のボランティアに接種された。保健省によると、企業16社がDNAワクチンとメッセンジャーRNAワクチンをはじめあらゆるタイプのワクチン開発に取り組んでいる。
なお、イランの最高指導者ハメネイ師は8日、「イランは米英製ワクチンは信頼できないので輸入を禁止した。米英が他の国を感染させようとしていたとしてもおかしくない」とツイッターに投稿。このツイートは規則違反として削除された。
ワシントンに本拠を置くシンクタンクであるInter-American Dialogueは「キューバとイランが新型コロナウイルスのワクチン製造に取り組んでいるというニュースは全く驚くにあたらない。 両政府はともに米国から厳しい制裁を受けているので、ワクチンの開発やワクチンへのアクセスの機会は限られている。 提携は地政学的な観点からの決定であり、実際的な措置でもある」との見解を明らかにした。
Tehran Times 2021年1月9日、 AFP 2021年1月10日