CSR(年金審議委員会)年次報告書:年金収支悪化を問題視

独立機関のCSR(年金審議委員会)が年次報告書を提出した。政府に対して、年金収支改善のための一連の方策を提言した。
年金改革はマクロン大統領が選挙公約に掲げた施策の一つだったが、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動などの影響で実現の可能性が事実上断たれた。任期中の実現の展望はないが、次期大統領選挙において再び争点となる可能性がある。CSRは今回の報告書の中で、新型コロナウイルス危機を経て、年金会計の収支の中期的展望が一段と厳しくなったことを指摘。25年先まで収支の赤字は続くと予想した。収支改善策としては、年金負担率が28%の法定上限に近い水準であることを挙げて、これ以上の保険料引き上げをするべきではないと指摘した上で、短期的には、年金支給額の抑制が有効との見解を示した。これに対する反対が国民の間で根強いことを認めつつ、数年間に渡り分散する形で抑制の幅を小さくして、支給額が特に低い層に配慮をすることが必要だと指摘した。より中期的には、平均寿命の上昇にあわせて、期待される年金受給期間が短くならないように配慮しつつ、年金受給開始年齢を引き上げてゆくことが有効だとした。