プロサッカー放送権問題:メディアプロ撤退に関して連盟側と基本合意

プロサッカー試合の放送権を獲得したメディアプロとLFP(プロサッカー連盟)の間で、12日までに基本合意が成立した。メディアプロが放送権を返上することを受け入れた。この合意は17日にナンテール地裁において審査され、21日までに裁判所の諾否が決まる。
メディアプロは中国資本の傘下にあるスペイン企業。入札を経て、2020-24年の仏プロサッカー試合のほぼ全部の放送権を獲得。年間8億2000万ユーロの権利料の支払いをLFPに約束していた。しかし、メディアプロは、新型コロナウイルス危機を口実に、これまでの2回の分納分の支払いを拒否(3億2400万ユーロ相当)。LFPとの間で調停の手続きが進められていた。
報道によると、この合意でメディアプロは放送権の返上に同意。同社が立ち上げた専門テレビ局「テレフット」は遅くとも1月31日まで放送を継続し、LFPはそれまでに今後の放送の手配を行う。メディアプロは1億ユーロを支払い、この事業から撤退する。
メディアプロへの契約付与については、当初から、財務上の基盤が不十分であり、契約の履行ができるのか疑問があるとする指摘が出されていた。高額の権利料につられて契約を付与したLFPは、新型コロナウイルス危機という最悪の逆風の中で、見込みの甘さのつけを払わされた格好になる。メディアプロ以前の契約先であるカナルプリュス(有料テレビ)に放送を託すのが順当な流れだが、カナルプリュス側は契約を外された恨みもあり、権利料の大幅な引き下げを得られない限りは再契約には応じない姿勢をちらつかせて圧力をかけている。サッカーチームの側では、無観客試合で入場券収入を断たれていることから、放送権料の分配は命綱だが、減額による収入の目減りは追い打ちになる。資金力のある大手チームが放送権を自ら取り戻して収益化を図るという動きに出る可能性もあり、LFPを通じた権利の運用と収入の分配という枠組みが崩れると、弱小チームは存続の危機に直面する。政府はこの係争には介入しない姿勢を貫いているが、業界からは不満の声も聞かれる。