夜行列車振興で4ヵ国の大手事業者が提携、新規参入組からは不満も

オーストリア、スイス、ドイツ、フランスの旧独占鉄道事業者4社が12月8日に夜行列車の運行事業での提携を発表した。これについて、民間鉄道会社から、独占の復活だとして問題視する声が上がっている。
提携を決めたのは、オーストリア国鉄OeBB、スイス連邦鉄道、ドイツ鉄道(DB)、仏国鉄SNCFの4社。夜行列車は、環境配慮型の移動手段として再評価の機運が高まっており、4社は国際夜行列車の分野で協力することを決めた。4社はこの協力の枠内で、パリ・ウィーン(2021年末から)、パリ・ベルリン(2023年から)など4路線の開業を決めた。
この発表には、鉄道市場の自由化と共に参入した民間鉄道会社から不満の声が上がっている。仏トランスデブ(仏政府系金融機関CDC傘下)は、「鉄道のソ連邦が戻ってきた」とコメントし、新規参入組の締め出しを意図したものだとして反発。欧州の新規参入事業者が作る団体AllRailも、新規参入事業者が十全に役割を果たせるようにすることを望むとのコメントを発表。独業界団体のMoFairは、補助金を得た事業者による国際列車のカルテルが出現すると批判している。
欧州では、夜行列車は採算性の理由から、長年に渡り退潮傾向を辿ってきた。ドイツ鉄道とSNCFは2016年に国際列車事業を打ち切り、オーストリア国鉄OeBBが熱心に夜行列車の再興を進めてきたという経緯がある。これ以外では、伊Thello(イタリア鉄道傘下)が、パリ・ベネチア間(ミラノ経由)の夜行列車を運行している(ただし、新型コロナウイルス危機以来で運行を休止中)。トランスデブは、スウェーデン子会社のSnalltagetを通じて、オープンアクセス事業者として2012年よりマルメ・ベルリン間の夜行列車を運行。現在は新型コロナ危機のため運休中だが、来る3月には、ストックホルム・コペンハーゲン・ベルリン間路線に拡張して運行を再開する予定。同社の場合、マルメ・ベルリン間の料金を簡易寝台で45ユーロにて提供、2018年と2019年には黒字を達成した。