ウニクレディトのムスティエCEOが退任へ

イタリアの大手銀行ウニクレディトは11月30日夜、ジャンピエール・ムスティエCEOが2021年4月の任期満了を以て退任すると発表した。経営方針の違いを理由に退任する。この発表を受けて、同行株価は12月1日に8.4%の下落を記録。その前日にも、CEO辞任の噂を背景に株価は5%安を記録していた。
ムスティエCEOはフランス人で、2016年にウニクレディトのトップに抜擢された。以来、不良債権の大幅な圧縮に成功し、同行の立て直しに手腕を振るった。しかし、最近では、国内の業界再編への対応を巡って取締役会の一部勢力との対立が深まっていたといい、CEOは自ら、「この数ヵ月間で、戦略プランの基本方針が取締役会の考えに即さないようになった」ことを退任の理由に挙げている。具体的には、有機的成長と株主への価値創出を優先するCEOと、国内での積極的な企業買収を後押しする取締役会との間で見解が対立したという。ウニクレディトは特に、経営不振で昨年に国が救済のため出資したBMPS銀行の買収を国から持ち掛けられていたが、CEOは財務基盤を犠牲にする買収案件には消極的で、この案件が最終的に退任につながったとみられている。
ムスティエCEOは59才。理工科学校(ポリテクニーク)の出身で、同期には、ボナフェ(BNPパリバのCEO)、ウデア(ソシエテジェネラルのCEO)、ティアム(クレディスイスのCEOを去る2月に退任)という錚々たる銀行家が揃っている。大物銀行家の今後の去就にも注目が集まっている。