2020年12月1日 編集後記

投稿日: カテゴリー: 編集後記

1986年に亡くなったコメディアンのコリューシュのネタの一つに「スポーツ選手」というのがあった。「スポーツのサポーターってバカだよね。でもサポーターよりもっとバカがいるぞ。それはスポーツ選手さ」という感じで始まって、 「(もっと)バカ」とスポーツのテーマでどんどん笑い話を繋いで行くのだが、途中で「俺の友達が卓球やってて、名前はアンドゥイユ(フランス語で 間抜けという意味)というんだけど、けっこう強いんだよ。この間は決勝で負けたんだけど、相手がスクレタンでさ」という一節がある。今よりもっとフランス語ができなかった当時の筆者はこのさわりを聞いていて、「スクレタン」て何だろうと不思議に思い、フランス人の知り合いに尋ねたところ、これは「ce crétin(ス・クレタン=このバカ)」よ、と説明してくれた。ふーん、なるほど理屈は通るが、どこがそんなに面白いのかな。。。と感じつつも、そのままになっていたのだが(1980年代で、当時はインターネットがなかったからググることもできない)、何年かたってスポーツ新聞を読んで、あっ!!と気づいた。なんと、フランスの卓球界には「ジャック・スクレタン(Secrétin)」という伝説的な名プレイヤーがいたのである。フランス人観客はもちろん、彼のことを知っていたからこそ、このシャレに反応したのだ(そういえば筆者の知り合いはスポーツに全く関心のなさそうな人だった。。。)。そのスクレタン氏(71)が11月24日に亡くなった。同日にラグビーのクリストフ・ドミニシ氏が自殺し、翌日にマラドーナ氏が亡くなったので、マイナースポーツである卓球のスターだったスクレタン氏の死はちょっと影に隠れてしまった感もあるが、久々に同氏の名前を新聞で見て、このエピソードを懐かしく思い出した。それにしても何という名前だろう。。。 合掌。