失業保険改革、行政最高裁が一部無効化を命令

行政最高裁(コンセイユデタ)は25日、政府による失業保険改革の政令について、2つの措置の削除を命じる判決を下した。改革の本質的な部分が削除される。
失業保険制度は労使共同運営を建前としているが、労使が改革を巡り合意できなかったことを理由に政府は2019年7月に自ら改革案をまとめ、政令の形で公示した。労使双方がそれぞれの理由から、この政令の修正を求める訴訟を起こし、行政最高裁は今回、労使それぞれの主張を一部認める内容の判決を下した。なお、政令の施行は、折からの新型コロナウイルス危機を理由として来年以降に延期されており、削除を命じられた部分は結局、施行されないまま廃止されることになった。
行政最高裁はまず、失業保険給付額の算定の基準となる1日当たり賃金(SJR)の計算方法について、平等の原則に違反するとの理由を挙げて削除を命じた。現在、SJRは、基準となる期間に得られた勤労所得を労働日数で割って得られるが、改正後は、就労していない日数を合算して割る形に改められる。これだと、就労実績に乏しい人ほど給付額が少なくなることになり、試算では、全体の3分の1強で支給額が平均で24%目減りするという結果を招くものとみられていた。労組がこの改正に強く反対して訴えており、判決では労組の主張が認められた。
もう一点は、経営者団体が訴えていた部分で、有期雇用等の不安定な雇用の乱用を防ぐために、そのような雇用を多用する企業に対して失業保険料の割増を適用するという条項が、やはり削除を命じられた。裁判所はこれについては、政令で定めるべき制度の細部を別途定める省令に譲っているのは不適切だとする理由を挙げて、削除を命じた。
労組側は揃って、政令そのものを全廃した上で交渉をやり直すよう求めている。政府はこれには応じずに、政令の修正により乗り切る構えで、2021年3月末日を期限に修正案をまとめることを目指している。