サルコジ元大統領らの汚職容疑裁判が開始に

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

パリ地裁で23日、サルコジ元大統領らを被告人とする汚職容疑の裁判が始まった。被告人の一人が病気を理由に出廷しなかったため、医師による鑑定結果を待って次回公判を26日に開くことを決めたのみで、初日の公判は終了した。
今回の裁判では、サルコジ元大統領、その顧問弁護士であるエルツォーク氏、そして事件当時に最高検察庁の検事を務めていたアジベール氏の3人が、汚職と職権乱用の容疑で起訴された。うち、アジベール氏が出廷しなかったことが、公判延期の理由となった。
この事件は、2014年1月から2月にかけて、サルコジ元大統領らが捜査当局による電話盗聴の対象となったことに端を発して浮上した。当時、サルコジ元大統領は、ベタンクール事件(資産家のベタンクール氏から不正資金がサルコジ元大統領の陣営に渡った疑いが取り沙汰された。この事件ではサルコジ元大統領は起訴されず、政界関連の有罪判決はなかった)で追及を受けており、その一環で押収された大統領在任中の手帳について、元大統領は押収を無効とするよう求める請求を行っていた。電話盗聴は、当初はサルコジ元大統領とエルツォーク氏のみを対象としていたが、「ポール・ビスミュト」名義で開設された回線が存在することが分かり、それも対象に加えられた。その隠し回線を通じて、サルコジ元大統領とエルツォーク氏は、手帳押収の無効化請求の審査に関する情報をアジベール氏から入手するために、アジベール氏の昇進を助ける算段を整える相談をしていたとされ、アジベール氏を経由して、請求を成功させるための働きかけを行っていた可能性もあるという。
ポール・ビスミュトは実在の人物で、エルツォーク氏のかつての同級生だった。ビスミュト氏はこの裁判で、民事原告として損害賠償を請求している。