ルメール経済相は11月19日、流通業界の代表を集めた会合を開いた。本来なら27日に始まる「ブラックフライデー」のセールを1週間延期する方針が固まった。
「ブラックフライデー」は民間業者の自主的なプロモーションであることから、政府はこれを規制する手段を持たない。政府の側では、衛生基準の強化を経て、27日には必需品以外の製品を販売する商店の営業再開を許可する方針を示唆しつつ、それに関連して、セールの開始を1週間延長するよう要請したという。
「ブラックフライデー」は近年、フランスでも重要性が高まっており、クリスマス直前の期間に次ぐ書き入れ時となっている。実店舗における売上高は50億ユーロ、ECにおける売上高は10億ユーロに上ると言われる。その一方で、再ロックダウンで必需品販売以外の商店の営業禁止措置が続く中で、このまま「ブラックフライデー」に突入すれば、ECサイトの一人勝ちになり、競争歪曲を招くとする批判の声が上がっており、政府はこれに配慮して、延期要請を行った。
大手流通各社はいずれも延期の方針を受け入れており、大手アマゾンも、19日夜に、今年のブラックフライデーは12月4日に開始されると発表した。27日に商店の営業再開が許可されるとの方針はまだ本決まりではなく、23日以降に正式発表が予定されている。なお、政府は、商店における人の密度を、従来の4平方メートルに1人から、8平方メートルに1人へと低める(200平方メートル超の店舗に適用)方針といい、条件は一段と厳しくなる。