仏企業による起債が活況、今年は既に940億ユーロ

今年はフランス企業による起債が盛況を迎えている。ムーディーズの集計によると、年頭からここまでの起債額(非金融部門)は合計で940億ユーロに達し、既に好況だった前年通年の850億ユーロを上回った。
足元では、米大統領選挙の結果を待ち、また、再ロックダウンに伴う混乱もあって起債市場は動きが静まっていたが、11月9日にはクレピエール(不動産)が11年物社債6億ユーロ相当を0.875%の利率にて調達した。
新型コロナウイルス危機を受けて、大手企業の資金需要はかなり高まっている。先の読めない状況に備えて、資金を確保しておこうとする動きがみられる。また、足元の低金利を利用して、債務の借り換えを進める動きもあり、2021-22年に償還期限を迎える債務を前倒しで借り換える需要が起債額を押し上げている。危機を企業買収の好機とみて、起債により買収資金を確保しようとする強気の動きもある。
起債条件は良好で、平均償還期限8.6年に対して発行金利は平均1.85%と低い。タイヤ大手ミシュランは10月に、5年物社債を0.3%という低金利にて発行した。逆に、ハイイールド債は平均金利が2019年の4-6%に対して、今年には5-7%へと上昇している。投資家の選別傾向が強まっていることがこの背景にある。2021年には、資金需要が一段落し、起債総額は10%程度減少するものと予想されているが、全般的な低金利を追い風に、ハイイールド債の発行はむしろ増大する可能性があるという。