CDGエクスプレス、行政裁が公益事業認定を取り消し

パリ・シャルルドゴール空港とパリ東駅を結ぶ直通列車「CDGエクスプレス」の建設計画で、モントルイユ行政裁判所は9日、公益事業認定を取り消す決定を下した。一部の工事は継続ができなくなった。
CDGエクスプレスについては、工事中と完成後のいずれでも、並走する既存の郊外列車(RER B線)の運行に悪影響が生じると主張し、住民の利益が軽視されているとする反対論が根強くある。今回の訴訟は、工事が行われる自治体のうち、ミトリーモリー市(セーヌエマルヌ県)が2019年6月に提起したもので、裁判所は、生物多様性の維持(鳥類及び両生類)に有害な建設計画が例外的に認められるのは、重大な公益性上のやむを得ぬ理由がある場合に限られるが、本件にはそのような理由は見当たらない、と認定し、工事を許可した政令を無効化する決定を下した。裁判所は特に、新型コロナウイルス危機で空港の利用者数が激減している現状に触れて、これが一時的な現象であるとは断定できず、トラフィックの増大への対応という論拠が成り立たなくなったと判断。また、鉄道整備による高速道路の輻輳軽減の効果についても、本件による特段の効果は認めがたいとした。
CDGエクスプレスの事業主体(パリ空港会社ADP、国鉄SNCFのインフラ部門、政府系金融機関CDCが出資)はこの判決について、「生物多様性の維持」に問題が生じうる区間のみ建設を禁じられたものであり、それ以外の区間の工事は継続されると説明。問題区間については必要な対応を検討中だと説明しているが、計画が断念に追い込まれる可能性もある。