世論調査で知られる調査・コンサル事務所のBVAの再建を巡り、トゥールーズ商事裁判所が下した決定をトゥールーズ高検が不服として控訴するという異例の事態に発展している。トゥールーズ高裁が12月14日に判決を下す予定。
BVAは2019年に2億100万ユーロの売上高を達成、グループの従業員数は1000人に上る。株主は、投資ファンドのNaxicap(51%)と、経営陣の持ち株会社X Page(49%)の2社で、去る6月5日に会社更生法の適用下に入った。トゥールーズ商事裁判所は、BVAに対して1億4000万ユーロの債権を有する主要債権者である英アルセントラ(債券ファンド)による買収提案を採用し、現行経営陣が提出した買収提案を退けたが、トゥールーズ高検はこの決定について、現行経営陣が提出した提案の方が、事業の維持、雇用の維持、債務の返済という3つの基準に照らして内容が優れていると主張、異例の控訴を行った。BVAの労組も現行経営陣による買収計画を支持している。
BVAは、2018年に英同業BDRCを、2019年には伊同業Doxaを買収して事業を拡大したが、これに伴い債務も増加。新型コロナウイルス危機に抗しきれずに倒産に追い込まれた。アルセントラの側では、経営陣と現行株主が結託して、債権者の権利を侵害しようとしていると主張し、BVAの米子会社を買収し、建て直した実績を強調している。