仏高級ブランド品大手のLVMHと米宝飾品大手のティファニーは10月29日、LVMHによるティファニー買収計画について、買収価格を1株131.5ドルに見直すことで合意したと発表した。ティファニーは価格を当初の1株135ドルから引き下げることに同意、困難に直面していた買収に向けて大きく前進した。29日に提案された買収価格から計算すると買収総額は158億ドルとなり、LVMHにとっては当初の提案に比べて4億2500万ドルの節約となる。
両社は昨年11月に買収計画を発表したが、新型コロナウイルス危機の影響が世界的に広がる中、LVMHは今年11月24日の期限までの買収が難しいと判断し、今年9月に買収断念を発表。これに対してティファニーがLVMHを米裁判所に訴え、係争に発展していた。29日の発表によると、この訴えは取り下げられる。
買収計画に関しては、欧州委員会が27日に許可しており、関連当局からの許可取得は全て完了している。来年1月に予定されるティファニーの臨時株主総会での承認により買収が成立する。当初の合意計画に盛り込まれたその他の条件はそのまま維持される。