2万年前の女性性器壁画、水が流れる仕掛けが明らかに

パリ郊外のフォンテーヌブローの森にある洞穴内の装飾に関する新たな研究結果が先頃公表された。女性性器を象った切れ込みが、水流と関係していたことが確かめられた。
この洞窟はノワジーシュルエコール市に位置する森林内にあり、「セゴニョル3」の名前で知られる。この地方に特有の、大きな砂岩が積み重なってできた古墳のような趣のある自然の洞窟の一つ。壁面には、ラスコー洞窟の壁画などと類縁性が高い馬の線画が描かれており、今から2万年以上前のものと推定されている。この壁面には、2匹の馬を隔てる形で縦に1本の切り込みがあり、その左右に、並行する形で、上方に斜めに広がってゆく2本の切り込みがある。これを、女性性器を象ったものとする見方は以前からあったが、人為的なものであるという確証はこれまでなかった。
フランス人研究者のメダール・ティリ氏らは、専門誌Journal of Archaeological Science : Reportsに掲載した論文で、これが水と関係した人工物であることを示した。同氏らは、洞窟の上方に位置する岩石中のくぼみから、斜めの切れ込みにつながる形の溝が打製加工により広げられていることなどを発見。砂岩が十分に水を吸って蓄積すると、余剰の水が溝を伝って中央の性器を経由して流れ落ちる仕組みになっていることが、水を満たして行った実験により確かめられた。
研究者らはこれについて、豊穣の儀式などの目的で整備されたものと推測。産婦の破水を模したギミックである可能性等を指摘している。