リヨン都市圏、水道事業を公営化へ

リヨン都市圏は上水道事業の公営化を計画している。大手ヴェオリアと結んでいる公共サービス委託契約を2022年末日の期限満了を以て打ち切り、公営組織による運営に切り替える。
リヨン市では、先の統一市町村選挙で環境派政党EELVが多数派となり、リヨン市と、同市を含むリヨン都市圏議会はいずれも、環境派を中心とする左派連合が率いるところとなった。このような形になった大都市は多く、リヨン市は選挙公約に沿って、水道事業の公営化を環境派市政の象徴と位置付けて、これを実行する方針を固めた。
ヴェオリア社は、リヨン市の水道事業(1835年に開始)を出発点としているだけに、この契約を失うことには象徴的な意味がある。日量24万5000立方メートルの飲料水を120万人の住民に供給し、年間9000万ユーロの収入をもたらす、同社にとってフランスで第2の規模の契約でもあり、影響は大きい。リヨン都市圏は、公共サービス委託により業者が儲け過ぎているとの見地に立ち、公営化により利益を市民に還元することを目指しており、具体的には、低所得者向けの料金無料枠の設定を含めた社会的見地からの料金設定の導入を予定。全体として料金を引き上げないとも約束している。対象事業に従事するヴェオリアの280人の従業員も引き取ることになる。ヴェオリアは、水道網の近代化を通じて、過去3年間で有効率を77%から85%へ引き上げた実績などを強調。リヨン都市圏側も、下請け企業の選定を通じて民間企業との協力は続けると説明しているが、詳細はまだ固まっていない。