消費者団体UFCクショワジールは22日、カード不正利用の事故時に銀行側が返済に応じないケースが増えていると発表した。監督機関のフランス中銀にこの問題を改めて通報した。
UFCクショワジールは9月2日から9日まで、直近12ヵ月間にカード不正利用の被害を受けた会員1535人を対象に調査を行った。それによると、全体で30%の案件で、銀行側は被害額の返済に応じなかったという。この数字は前年の調査時の26%を上回っている。
法令の規定では、カードの不正利用の場合の損害は、カードの安全性を保障する立場にある銀行が全額を負担することが原則となっている。被害者の誠実性については被害者の側に挙証責任はなく、返済は事故通報から営業日で1日以内に行うとの期限も設定されている。しかし、UFCクショワジールによると、被害者側が何度も連絡を取らなければ返済はなされないケースが多く、返済期限も前年より4日伸びて25日間と長くなっている。2019年9月には、EU法令により、オンライン決済の場合の認証手段が厳格化されたが、その導入が済んでいない場合(UFCクショワジールによると、46%の顧客が従来の認証方法を引き続き利用している)、銀行側は返済を拒否できない規定となっていることから、それ以前と比べて返済拒否は一段と難しくなったはずであるのに、実際には拒否の割合は増えている。
FBF(銀行連合会)はこれについて、事故発生の場合の審査は各銀行に委ねられているが、それぞれが不正行為の種類に応じて適正に対応していると主張し、UFCクショワジールの批判に反論している。