新型コロナウイルスを警戒して、今年はクリスマス商戦が例年よりも早く訪れている。この10月から関連商品の販売が始まっている。
雑貨販売のヘマ(オランダ)の場合、10月の初めからクリスマスツリーの飾りつけなど関連商品のコーナーを設置した。10月から12月までに年間売上高の半分を稼ぐという玩具店でも、早くから歳末商戦モードに突入。大手のジュエクラブの場合は、商品の仕入れを1ヵ月前倒しにして行い、例年とは異なり、10月から総力体制で臨んでいる。
店舗側はいずれも、12月にかけて衛生上の制限措置が追加導入されるなどして、重要な期間である歳末商戦が混乱することを懸念している。パリ首都圏をはじめとする9都市圏で夜間外出禁止措置が発令されたことは、そうした懸念を裏付ける材料になった。消費者も、歳末の人込みを避けるために早めの買い物を選択する可能性があり、店舗側はそうした需要の取り込みを狙っている。
ただ、食料品の場合は買い置きが難しいものも多く、早手回し作戦にも限界がある。チョコレート販売チェーンのジェフ・ド・ブリュージュの場合は、待ち時間ゼロ化を目的に、クリック&コレクトのサービスを全480店舗(うち320店舗がフランチャイズ)で提供する体制作りを急ピッチで整えている。配達サービスも導入する計画だが、同社では、チョコレートで配達サービスのような需要はかつてなかったと説明し、新型コロナウイルス危機下の状況がいかに特異であるかを強調している。