サルコジ元大統領、リビア不正資金疑惑で新たな予審開始

サルコジ元大統領に対して、リビアから不正に選挙資金を得ていた疑惑に関して、捜査当局が新たな予審開始を通告したことが16日までに明らかになった。ニュース専門サイト「メディアパルト」の報道を全国管区金融犯罪検事局(PNF)が認めた。予審は、担当の予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き。
サルコジ元大統領は、2007年の大統領選挙の際に、リビアのカダフィ政権(当時)から選挙資金の融通を受けていた疑いで追及を受けており、2018年3月以来で、「収賄」、「リビアにおける公金横領の秘匿」、「政治資金規制法違反」の3つの容疑で予審開始通告を受けている。今回、当局は元大統領から長時間にわたる事情聴取を行った上で、「犯罪謀議」という新たな容疑で、同じ事件で4件目の予審開始通告を受けた。「犯罪謀議」とは、複数人が謀議の上で犯罪を準備する行為を犯罪として認定するもので、最高刑は禁固10年に設定されている。
メディアパルトなどの報道によると、元大統領のかつての側近であるゴベール氏が、2006年2月に、リビア政府との仲介役として活躍した実業家のタキエディン氏が経営する会社から44万ユーロをタックスヘイブンの海外口座経由で受け取った(ゴベール氏はこの件で今年1月の時点で予審開始通告を受けた)。この送金の2ヵ月前に、元大統領のやはり側近であるオルトフー地方自治体担当相(当時)がリビアを訪問し、リビア軍の情報部責任者セヌシ氏(当時、フランス当局により、1989年に発生した航空機爆破テロ事件に絡んで指名手配中)と会談しており、リビア政府との接触を経て、リビア資金がサルコジ元大統領の陣営に渡った疑いがある。元大統領は当局の事情聴取に対して、ゴベール、オルトフー両氏の動きは一切自らが知らないところで行われ、この件で指示をしたことは一切ないと主張したが、当局は予審開始に踏み切った。サルコジ元大統領は予審開始の公表後に、いかなる証拠もなしに下された決定であり、潔白が再び踏みにじられた、と抗議するコメントを発表。潔白が証明されることを信じる、とも付け加えた。
なお、元大統領については、最高裁のアジベール判事から捜査情報を取得しようとした容疑の裁判が、11月23日から12月10日まで行われることになっている。これに続いて、2012年の大統領選挙における選挙資金上限超過の隠蔽に関する容疑(ビグマリオン事件)の裁判が、2021年3月17日から4月15日まで行われることになっている。