ユニバイユ・ロダムコ・ウェストフィールド、大物投資家が揺さぶり

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不動産大手ユニバイユ・ロダムコ・ウェストフィールドは11月10日に開く臨時株主総会で、増資を含む債務整理策の承認を株主に求める。これを前に、ユニバイユの元CEOであるレオン・ブレスレール氏が資産家のグザビエ・ニエル氏(通信大手フリーの創設者)と結んで、経営陣に対して揺さぶりをかけている。増資計画に反対し、経営方針を抜本的に見直すよう呼びかけている。
ユニバイユ・ロダムコ・ウェストフィールドは、主力のショッピングセンターが新型コロナウイルス危機に伴い大きな打撃を受けており、経営環境が悪化している。経営陣は去る9月16日に、90億ユーロの債務削減に35億ユーロの増資を組み合わせたプランを発表。財務を立て直して巻き返しを図る方針を示したが、ブレスールとニエルの両氏は、現在の窮地は経営戦略の失敗が招いたものであり、戦略の見直しが伴わないなら財務健全化を進めても無駄だと主張、臨時株主総会の機会に、監査役会の構成を見直し(ブレスレール、ニエルの両氏を含む3人の任命を要求)、戦略を抜本的に修正するよう求めている。
ユニバイユ・ロダムコ・ウェストフィールドは、2017年末にユニバイユ・ロダムコがオーストラリアのウェストフィールドを買収して発足したが、それ以来で株価は81.21%の低下を記録。過去1年間では73.15%の低下を記録している。ブレスレール氏は自ら率いる投資ファンドAermont Capitalを通じてユニバイユ・ロダムコ・ウェストフィールドの株式2%を2019年夏に取得。ニエル氏と結んで合計で4.1%株式を確保している。両者は、ウェストフィールドの買収を経て、大型のショッピングセンターに資産を集約する(欧米に55ヵ所の旗艦ショッピングセンターを展開)という戦略そのものが誤りだったと主張し、戦略変更に合流するよう、株主らに呼び掛けている。