仏貿易赤字、8月も拡大

7日発表の税関統計によると、仏貿易赤字は8月に77億ユーロとなり、前月比で7億ユーロの増加を記録した。直近12ヵ月間の貿易赤字は670億ユーロに上り、2019年通年の580億ユーロを大きく上回っている。仏経済省は2020年通年の貿易赤字が790億ユーロに達し、過去最大記録を更新すると予想している。
経済研究所レックスコードのフェラン所長によると、足元の原油安により、エネルギー部門の貿易収支は2020年に100億-150億ユーロの改善が見込める。一般に、景気後退期にはこの効果で仏貿易収支はむしろ改善するのが過去の通例だったが、今回の状況はそれとは異なる。輸出産業の構成の変化がその背景にあるという。特に不振が目立つのが航空機産業で、同部門の輸出は2019年通年には640億ユーロに上っていたが、直近12ヵ月では200億ユーロの大幅減を記録。新型コロナウイルス危機に伴い、顧客の航空各社の事業回復が軌道に乗っていないことの影響が色濃く出ている。
全体として、フランスの輸出総額は2019年の平均と比べて83%程度の水準に留まっており、危機を契機に工業部門の空洞化がさらに進行するリスクもある。半面、輸入は前年平均の91%まで回復しており、これが貿易赤字の拡大を招いた。工業製品の輸出入比率は80%と過去最低の水準まで低下した。INSEEは、2020年に外需がGDP成長率を2ポイント押し下げるマイナス貢献になると予想している。