仏食品大手のダノンは、ヤクルト本社に保有する株式6.61%を売却すると発表した。売却額は5億ユーロと見込まれる。ダノンはヤクルト株の売却を財務状況を強化するためと説明した。これでダノンはヤクルト株の全てを手放したことになるが、両社は今後も長期的な戦略関係を維持し、インドとベトナムの合弁会社などの営業提携を続けると表明した。
ダノンは2000年にヤクルト本社の株式取得を開始し、2003年には出資率を20%近くへ引き上げて筆頭株主となったが、ヤクルトが2012年にダノンによる更なる出資率引き上げを非友好的とする見解を表明。こうしたこともあってダノンは2018年に、ヤクルト株式14%を13億ユーロで売却した。ただし、ダノンはその2年前に米ホワイトウエーブ(有機食品)を125億ドルで買収したことで、債務を膨れ上がらせていたため、ヤクルト株式の売却は債務削減を狙ったものとの指摘もある。
ダノンは、「ヤクルト」に似たヨーグルト飲料の「アクティメル」を販売しており、かつてはその売上高が10億ユーロを突破していたが、現時点では売上高を公表していない。