政府、動物福祉の向上策を発表:野生動物を使役の興行を禁止へ

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ポンピリ環境相は28日、動物福祉の向上を目的とした一連の措置を発表した。野生動物を使役する興行を将来的に禁止するなどの方向性を示した。
環境相はまず、巡回型のサーカスにおける野生動物の興行を段階的に禁止する方針を示した。使役されている現有の動物を最後の世代として、代替わりを認めない形で事業のフェーズアウトを進める方針を示した上で、サーカス団など興行主や関連する従業員に対しては、別な出し物の開発や他の職種・職業への転職を支援すると約束した。
環境相はまた、イルカ・オルカ類の飼育施設についても、段階的に廃止を進めてゆく方針を示した。現在、イルカショーなどの出し物を行う飼育施設は全国に3ヵ所を数えるのみだが、新たなイルカ類の導入と繁殖を禁止した上で、やはりフェーズアウトを進める考えを示した。飼育されているオルカは4匹のみで、早期の解決が可能だが、イルカは数が多いため、7-10年の時間がかかる見通しだという。環境相は、施設の動物を受け入れる「聖域」を整備し、教育・研究事業も行うとの展望を示したが、具体的な青写真は明らかになっていない。
環境相はまた、毛皮用のミンクの繁殖事業を禁止する方針を発表。動物園における動物福祉の向上支援も予告した。