政府、2021年予算法案を閣議決定

政府は28日に開いた閣議で2021年予算法案を採択した。1000億ユーロの経済対策を折り込んだ。
予算法案は、2020年の経済成長率をマイナス10%、2021年の同成長率を8%と仮定して策定された。経済成長率は、新型コロナウイルス危機を背景に、2020年に記録的な後退を見せた後、2021年にはその反動で大きく回復するが、危機前の水準までは復帰しない。新型コロナウイルス危機に伴う財政出動の拡大により、財政赤字の対DP比は2020年に10.2%まで拡大し、2021年には6.7%まで縮小するが、なお高めの水準に留まる。公的債務残高の対GDP比も、2021年末時点で116.2%と極めて高い水準で推移する(2020年には117.5%の予定)。2021年の起債額は2600億ユーロを予定する。
経済対策では、2021年には国の予算から220億ユーロの支出がなされる。経済対策は2年間を期限とし、全体では支出は364億ユーロとなる。項目別では、「エコロジー」が184億ユーロ(住宅の断熱リフォーム支援が20億ユーロなど)、「企業の競争力向上」が60億ユーロ、「社会の結束・雇用」が120億ユーロとなる。経済対策の総額規模は1000億ユーロだが、差額は、社会保障会計とBPIフランス(公的投資銀行)が負担する支出(140億ユーロ)、そして支出面ではなく収入面に作用する減税等の措置(200億ユーロ)、「未来のための投資」プラン(110億ユーロ)、そして、6月の補正予算法に盛り込んだ各種措置(165億ユーロ)に由来する。
全体として、支出は前年比で0.4%増に抑えられるが、これは、2010年に支出が6.3%の大幅増を記録することによる。国の財政赤字は1528億ユーロに上る。省庁別では、経済対策の効果を除いて、法務省で1億5000万ユーロ増、教育省で1億ユーロ増を記録し、勝ち組となる。地方自治体向け予算も、7月に行われた交渉時と比べて7000万ユーロの増額が認められた。公務員数では、法務省で1500人増、内務省で1369人増、軍隊省で286人増が認められる一方、経済省(2163人減)、環境省(947人減)、雇用省(496人減)では削減努力が求められ、全体で157人の微減となる。政府は、夏の時点で任期末までの公務員数の削減目標を3400人減へと下方修正していたが、2021年には差し引き後でほぼ現状維持を選択した。
収入面では、政府は増税の拒否を主要な方針として掲げており、予算法案には予定通り、富裕層の住民税の段階的廃止(24億ユーロ)と法人税の税率の段階的引き下げ(37億ユーロ)が共に盛り込まれた。