ベラン保健相、マルセイユ市の抗議に譲歩

ベラン保健相は9月25日、マルセイユ市を訪問し、23日に予告した新型コロナウイルス対策について多少の譲歩を行った。政府は、特に感染が目立つブーシュデュローヌ県を仏本土内で唯一の「最大警戒地区」に分類、同県の主要都市であるマルセイユ市およびエクサンプロバンス市で26日からバー・レストランの営業を2週間にわたり禁止するという厳しい措置を決定し、地元の関係者の強い反発を招いていた。
保健相はバー・レストランの閉鎖開始を1日延期して、27日からとすることを受け入れた。マルセイユ市のリュビオラ市長らは政府との事前協議のために10日間の猶予を要求していたが、保健相はこれには応じなかった。マルセイユ市では直近1週間の10万人当たりの新規感染者数が281人に達しており、救命救急センターの入院者も急増中で、秋から冬にかけての本格的な第二波を回避するためには緊急の対応が必要だとみられている。保健相はまた、閉鎖期間を2週間から1週間に短縮することも承諾し、閉鎖対象となるバー・レストランへの補助金を従来の月間1500ユーロから最高で1万ユーロにまで引き上げ、一時帰休の賃金を国が100%負担し、閉鎖期間中の社会保障負担金を免除するなどの特別措置も約束した。
閉鎖期間の短縮などは、感染防止の観点からは必ずしも妥当とは言えず、政治的判断も働いたと考えられるが、こうした一連の譲歩にもかかわらず、地元の経済界や政界は政府の決定に反対し続けている。
なお、28日からは、「警戒強化地区」に分類された県の都市圏で、22時以降のバーの営業禁止や、スポーツジムの営業制限(受け入れをハイレベルのスポーツマンと子どもに限定)するなどの措置が導入されるが、こちらも概ね地元の反発は強く、パリ市のイダルゴ市長は「理解し難い」と批判している。ただし、パリ市でも266日には直近1週間の新規感染者数が10万人当たりで249人に上り、「最大警戒地区」に分類される瀬戸際に達している。