ランボーとベルレーヌのパンテオン入り運動、反対論も

19世紀後半に活躍した詩人のランボー(1854-1891)とベルレーヌ(1844-1896)のパンテオン入りを求める声が上がっている。ルモンド紙は18日付で、パンテオン入りに反対する知識人らの連名の論説を掲載した。
パンテオンはパリのカルチエ・ラタンにある共和国の霊廟で、フランス革命時に設立された。共和国に貢献した偉人が選ばれて、その遺体が改葬されることになっている。ランボーとベルレーヌのパンテオン入りは、出版業のバレ氏、ジャーナリストのマルテル氏、作家のイディエ氏(現在、カステックス首相の顧問として演説執筆を担当)が発案し、働きかけを起こした。バシュロ現文化相をはじめ、ラング氏からリエステル氏まで歴代の文化相のうち9人が支持するなど、実現しそうな勢いがある。
ランボーとベルレーヌは同性愛の関係で醜聞を引き起こした。二人の関係は銃撃事件により終わり、ランボーはこのために服役した。そうした経緯は、彼らの作品以上によく知られている。二人を一組にしてパンテオン入りを提案することには、もちろん、パンテオンに「ダイバーシティ」を反映させようという掛け声にほかならず、それが最大のアピールポイントであるだろう。ランボーの研究者のほか、著名な作家や知識人らを含む数十人は、ルモンド紙に寄せた論説の中で、ランボーとベルレーヌがいずれも社会の桎梏に抗った反骨精神の持ち主であることを挙げつつ、パンテオン的な価値をまさしく嫌った彼らをその意志に反してそこに押し込めようというのはいかがなものかと問題視している。また、記念すべき出来事を人と共に顕彰するのがパンテオンの機能であり、社会問題をそこに持ち込むとしたら、本来の趣旨から離れてしまうと指摘。ランボーとベルレーヌを同性愛に還元するのは誤った単純化であるとも指摘し、コミュニティ中心主義的な逸脱に陥るべきではないとして、マクロン大統領に対して、安易なパンテオン入りを決めないよう呼びかけた。