フランス北部にもワイン醸造が進出

フランスの北西地方でワイン醸造を志す業者が増えている。規制緩和により代表的産地以外でも生産が容易になった。
イルドフランス地域圏(パリ首都圏)は元来、ワインの産地でもあったが、19世紀中ごろからブルゴーニュ地方以南の代表的な産地に押される形でワイン生産はほぼ全面的に姿を消した。最近では、地産地消のブームもあり、地元産のワインを望む声も高まり、生産が再開されるようになった。欧州連合(EU)がワイン用のブドウの作付け規制を緩和し、従来の産地以外に地理的表示保護の適用を認めたことも追い風になった。
パリの北西に位置するベクサン地方では、ブリュノー・ラフォン氏が2017年からブドウ栽培に取り組んでいる。マーケティング分野の管理職から脱サラでワイナリー「クロ・フェルー」を設立。年数が浅いことからまだワイン生産は少量にとどまっているが、将来的には年間35-45ヘクトリットル(5000本)のオーガニックワインの生産を目指している。クラウドファンディングで10万ユーロを集めて、これまでに5万ユーロを投資した。イルドフランス地方では、土壌と気候から、アルコール度数が低く、フルーティで軽め、香りが立つワインが生産されるといい、これは都市部の住人の嗜好にも合致している。ただ、生産量を多くするのは難しく、クロ・フェルーでも、20-30ユーロと高めの価格設定を予定している。
パリ以北では、降水量が多く、収穫量が年により安定しないという問題があり、主要産地と同じビジネスモデルで成功を収めるのは難しいとの指摘もある。イルドフランス地域圏全体では、当初は作付け面積が1000ヘクタール、生産量が5万ヘクトリットル程度が目標になり、これは例えばボルドーワインの1%の規模に過ぎない。